サヤトレ通信（無料版）　第1760号
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株式会社サヤトレの増田です。

本日は「カルロス・ゴーンの逮捕」をテーマにお届けします。

昨日、日産自動車会長のカルロス・ゴーン容疑者が
自身の報酬を過少申告したとして金融商品取引法の
違反容疑で逮捕されました。

金融が分かる立場からニュースをじっくり読み
ニュースメディアがあまり取り上げない目線で
今回の事件についてお伝えさせていただきます。

金融知識がある人が増えれば、今回の悪者である
ゴーン以外にも叩かれるべき人物や会社名があります。

日産自動車の監査を担当する
EY新日本有限責任監査法人は
なぜこの不正を見抜けなかったのか？

上場企業の会計が適切に処理されるべき仕組みが
成り立っているにも関わらず、それぞれの立場が
仕事をしっかりとやらない事で今回の事件が起こるのです。

ぜひとも個人投資家の金融リテラシーが高まり
今後このような事件が起こらない社会になって欲しいです。

まず今回の事件のまとめと
投資家目線の私の問題点をお伝えします。

【事件まとめ】
■カルロス・ゴーンが金融商品取引法違反容疑で逮捕

■金融商品取引法違反の中身は「有価証券報告書」の虚偽記載
（脱税で捕まったわけではない。）

■役員報酬を約50億円過少記載していた
（毎年約10億円計上していたけどもっと貰っていた）

■日産関係の内部告発にて事件発覚

【増田が考える問題点&感想】
■有価証券報告書の虚偽は、世界中の投資家を騙す大犯罪

上場企業が公式に出す数字を信じて
世界中の投資家は投資をしています。

金融市場の信頼性をひっくり返す裏切りです。

日産に投資している人はもちろんの事
それ以外の投資家も怒っていい事件です。

有価証券報告書の決算書（粉飾）などの
数字に沢山虚偽があったとしたら、投資家は
これから何を信じればいいのでしょうか？

■そもそも有価証券報告書の虚偽は出来るのか？

今回の事件のポイントはカルロス・ゴーン
個人の脱税の話ではありません。

毎年10億円の給料（実際はそれ以上）をもらっていた
ゴーン個人が脱税で捕まったのであればゴーン個人の話で終わります。

日産も会計監査法人も投資家も別に関係ありません。

しかしそうではなく「有価証券報告書」の数字が
50億円も減っている状態で5年間まかり通っている
日産経営陣および会計関係者の仕組みは明らかにおかしいです。

（以上）

投資家目線でお伝えしたい事と問題は2つです。

1つは、決算書など有価証券報告書にウソを書く事は
世界中の投資家を騙す、大犯罪であるという事です。

貰った給料を脱税して捕まるよりも
世界中にいる投資家を騙す方が被害者は多くなります。

そして2つ目は、上場企業の会計が間違わないために
自社での会計部門があり、そして別法人として日産の
会計処理が適切に行われているかを監査する監査法人があります。

監査法人の公認会計士達の仕事は日産の
会計処理が適切に行われているかを監査する事です。

今回は、50億円少ないという事実において
日産の会計処理部門の社員および監査法人は
監査が機能していないという事になります。

今回の事件に監査法人が日産に対して
ゴーン氏これダメだよーと気付いて
指摘すれば発生していない事件なのです。

日産自動車を監査していた監査法人の
企業名は、EY新日本有限責任監査法人です。

EY新日本有限責任監査法人が担当して
監査していた会社と直近の事件は下記の通りです。

【EY新日本有限責任監査法人の担当企業】

2012年：オリンパス粉飾決算事件

2015年：東芝の粉飾決算事件

2018年：スルガ銀行不正融資問題

2018年：日産カルロス・ゴーンの有価証券報告書の虚偽

監査法人の仕事は、企業を監査する事です。

EY新日本有限責任監査法人の仕事の甘さに
投資家は怒っていいのではないでしょうか？

監査法人の役割と仕事と責任に対して
個人投資家が意見するべきだと私は感じます。

【本日のマネー実践タスク】
カルロス・ゴーン逮捕事件についてゴーン氏以外に
事件が起こった責任がある人はいないか考えてみましょう。