株式会社サヤトレの増田です。
- 銀行=預金(安心)
- 証券=投資(危険)
多くの方が上記のようなイメージをお持ちでしょう。
本日は、元証券マンの私が銀行預金ではなく
証券会社にお金を預ける方が安心出来る事例をお届けします。
証券会社のライバル企業は
他社の証券会社ではありません。
証券会社のライバルは銀行なのです。
証券会社はライバルの銀行にあるお金を
証券に移してもらう事が営業では大事です。
よって元証券マンの私はそのあたりについてかなり詳しいです。
現在は、どちらでもないので個人投資家目線で
中立に正しい金融の知識をお届けさせていただきます。
証券会社は使い方によっては銀行よりも
安全に金融資産を保管する事が出来ます。
分かりやすいイメージとして皆様が
現金で1億円保有しているとお考えください。
日本の銀行の法律上1つの銀行に1億円を
全額預金することは意外かもしれませんが
結構、危険な行為だと私は考えています。
その理由は「銀行の倒産リスク」です。
お金を預けている銀行が経営に失敗して
倒産してしまった場合、預金者のお金は
どうなるか、皆様はご存知でしょうか?
「自分のお金なので全額返ってくる!」
そうお考えの方は大間違いです。
銀行が倒産した場合、1金融機関1預金者あたり
1,000万円までしか保証の対象にはなりません。
この制度の事を「ペイオフ」と言います。
つまり残りの9000万円は、銀行の経営が失敗して
その負担を預金者が被らなければならないのです。
銀行が潰れることは、中々ありませんが1000万円以上を
銀行口座に入れているお金持ちの方はペイオフについて
知っておいた方がいいのではないでしょうか。
その一方で1億円を証券会社のMRFや預かり金に入れて
預け入れた証券会社が倒産したらどうなるでしょう?
その答えは・・・
「銀行と違い預けている全額が基本投資家に返ってきます」
証券会社は、投資家から預かったお金と
証券会社自身が保有している財産を明確に
線引きして別々に管理を行っています。
この事を「分別管理」と言います。
1億円でも100億円でも倒産したら
1000万円しか返ってこない銀行と違い
証券会社は、倒産してもお金は全額返ってきます。
(株で投資先の企業が倒産したら返ってきません)
これはFX業者でも同じです。
投資家の資金が信託保全されていればFX業者が
倒産しても投資家の預けているお金は返ってきます。
よってこの辺りの金融リテラシーの高い
超お金持ちは分別管理している金融機関を好みます。
過去の歴史上、金融機関が倒産するケースは
実際ほとんどなく現実的ではありません。
しかしここからは、かなり現実的な話をしましょう。
それが「不正送金のリスク」です。
これは、今このメールを読んでいる
ほとんどの方に関係がある事です。
現在、多くの銀行がネットでアクセスして
お金を送金出来るようになっています。(ネットバンク)
IDとパスワードが分かれば簡単に銀行口座に
ログインしてお金を送る事が出来るのです。
もし仮に今お使いのパソコンやスマホが
第三者にハッキングされたらどうでしょうか?
パソコンを遠隔操作されて自分の銀行口座にアクセスされます。
自分の銀行口座のお金をどこかに
勝手に不正送金されるかもしれません。
その際に銀行の対応は、送金先の口座の確認などは
協力してくれますが犯人を見つける操作の手伝いや
不正に送金されたお金の保証はもちろんありません。
銀行側は、警察に相談してくださいとしか言えません。
ネットバンクは使っている方は自分のパソコンが
乗っ取られて不正送金されたら基本的にそのお金は
返ってこないと考えた方がいいでしょう。
しかし銀行口座にお金は入れず
証券会社にお金を入れていた場合
不正送金を行うことは非常に困難です。
その理由は、証券口座にあるお金は一度本人名義の
登録銀行を経由しないと出金できないからです。
例えば今このメルマガで私が自分の証券会社の
口座情報のIDとパスワードを晒したと仮定します。
そうした場合、全国の読者の方が
勝手に私の証券口座にアクセス出来ます。
私の証券口座に100万円があれば勝手に
株式を買ったり売ったりする事は可能です。
しかしいくら証券会社の口座情報が流出しても
私の100万円を出金して犯人のお金にする事は出来ません。
なぜならばその100万円の出金先は
私が登録している増田名義の銀行口座にしか
送金する事が出来ないようになっているからです。
私の証券口座のお金を他人名義の
銀行口座に送金する事は出来ません。
証券口座に入れているお金を強奪する場合
具体的に次のような手順になります。
- 証券口座情報を盗む
↓ - 本人名義の銀行口座に送金をかける
↓翌営業日 - 銀行口座情報を盗む
↓ - 証券会社から銀行送金されたお金を不正送金
証券会社から資産を強奪する場合も
結局、銀行を通す事になるのです。
強奪する犯人は、こんな面倒な事をせずに
銀行口座に不正アクセスした方が簡単でしょう。
以上が、銀行にお金を預けるリスクと
証券にお金を預けるリスクの違いです。
金融資産が1000万円以下の場合は
ペイオフで預金は保護されるので
銀行預金にリスクはありません。
しかしそれ以上にお金を持っている方は
特に「不正送金」を中心にお金の預ける場所を
しっかりと考えた方がいいと思います。
場合によっては証券口座に入れておく方が
銀行預金よりも安全性が高いという見方もあります。
【参考記事】
ご参考になれば幸いです。
【あとがき】
テレビ局のお得意様なのでテレビの
ニュースにはなりませんがネットバンクに
いち早く乗り出した銀行は
数年前までセキュリティーが甘く
大量に不正送金被害にあっていました。
数年前から小さい電卓みたいな
ワンタイムパスワード制度を導入して
不正送金の問題は減っています。
現在、不正送金に合っている銀行は
大手ではなく地方の中小銀行みたいです。
地元の小さい銀行でネットバンクを
利用している方は、ご自身のパソコンの
セキュリティー強化を意識した方がいいかもしれません。
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