M&Aアービトラージ(裁定取引)とは

【サヤトレ通信 第1624号】

株式会社サヤトレの増田です。

本日は、会社の買収(M&A)をテーマにお届けします。

読者様もご存じの通り今、日本経済は
大企業を中心に好業績で会社の内部留保として
多額の現預金が余っている状態です。

大企業と投資家(資本家)は豊かになっていますが
その従業員や中小企業の給料は若干アップ程度です。

世間の多くの人が景気の良さを
感じないのが実情かと思います。

しかし今、儲かっている会社では
お金が余りまくっているのが現実です。

1億円、10億円、100億円、1000億円、1兆円

余りにもお金余り過ぎて使いたい金額は
会社の規模によって異なります。

そんな時に、会社がこれからも長く続く
経営において最も効率的に沢山のお金を
一気に使う方法が会社の買収です。

自社で余ったお金で別の会社を買い(株式を取得する)
その会社を経営して将来より大きく儲けを狙うのです。

今儲かっている元気の良い会社が
今儲かっていない元気のない会社の
株式と買い傘下に収める投資です。

日本企業のシャープが台湾の
鴻海精密工業の傘下に入り経営者が
変わった事でシャープは復活しました。

鴻海精密は、シャープという
良い買い物をしたと思います。

日本企業も海外の会社を傘下に収め
世界中のグローバル市場で戦う事が必要です。

直近では、武田薬品工業や
おなじみソフトバンクなど
日本企業が海外企業の買収に動いています。

投資の世界では、このように企業が
会社を買収する際には、株価の値付けが
上手くいかずにサヤが生まれる事が多くあります。

ヘッジファンドの世界ではイベントドリブン戦略や
M&Aアービトラージ(裁定取引)などを呼ばれています。

買収され側の会社の株式を買い
同時に買収する側の株式を空売りします。

買収される側の株価にはプレミアムがついて
高く買われる事が多く、会社を買った側の企業を
空売りしているので上手くヘッジされているイメージです。

しかし先日、お伝えしたマネックスが
コインチェックを買収したように
株価が激安なケースはマネックス側の
株価が大きく上がるケースもございます。

■コインチェックの株価激安!
http://sayatore.com/blog/2018/04/03/8226

買収をする際には結局のところ
適正株価とその後の経営戦略の
費用対効果が重要と言えるでしょう。

日本企業では、買収に積極的な会社と
積極的ではない会社と非常に分かりやすく
会社の風土が分かれているように感じます。

また日本では買収した海外企業を
上手く活かせていない会社も多いです。

日本人の敏腕経営者が少ないのかもしれません。

しかし株価を見ても分かるとおり
企業買収が上手い会社の株価は
大きく上がっている傾向が強くあります。

長期保有で株式投資をする際には
企業買収に関する会社の方針について
調べてみると参考になるかもしれません。

読者様の投資・資産運用のヒントになれば幸いです。

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