映画「マネーショート」解説(ネタバレ含)

株式会社サヤトレの増田です。

映画「マネーショート 華麗なる大逆転」を観てきました。

この映画は、サブプライムローン問題からリーマンショックまで
投資業界の実話を元にして作成された映画です。

■マネー・ショート 華麗なる大逆転
http://www.moneyshort.jp/

ヘッジファンドやトレーダー側が主役となっており
映画の中では難解な金融用語が沢山出てきます。

途中途中でストーリーを分かりやすくするために
演出で金融用語の例えとして解説が多く入っています。

【映画の演出イメージ解説】

■腐りかけの魚=危険な債券

■一流のシェフ=優秀な銀行員

■一つの鍋に入れてシチューにする=CDO(債務担保証券)

一応、金融用語の解説も入っておりますが・・・

正直、各金融商品の特性を知らない方がこの映画を観ても
内容が難しくストーリーを楽しめないだろうと思いました。

本日は、映画の内容を出来るだけ分かりやすく
解説しますので参考にしていただければ幸いです。

※ 映画をまだ観ていない方はネタバレを含みます。

映画のストーリーは、サブプライムローン問題が発覚する少し前に
あるファンドマネージャーが住宅ローンバブルの
危機的状況に気付くことから始まります。

近いうちに住宅バブルがはじける事を予測して
ファンドで儲けるために大きくショート戦略を取りますが
中々バブルが崩壊しない状況で苦悩しながらも
最後に住宅バブルがはじけて大儲けするという内容です。

映画の中で「CDO」・「CDS」という
金融用語が頻繁に出てきます。

この2つが映画を観る上で大きなポイントとなり
この2つの特性が分からないと映画の面白さは半減します。

当時のアメリカは所得の低い、サブプライム層に対して
高金利で住宅ローンの貸付を行っておりました。

職業や収入などの審査もほとんど行わず、
映画の中で銀行は、住宅ローンで
犬の名義までお金を貸し出していたのです。

低所得者達もマイホームが建てられる事に喜び
ドンドン借金をして家を建てます。

そんな中、低所得者達が契約した、サブプライムローンを
細かく刻んでパックにした金融商品を、他社にリスクを
取らせるために販売する手法を、優秀な銀行マンが産み出しました。

そのサブプライムローンを細かく刻み込んで大量に組み込まれた証券は
1980年代から高金利で投資家や銀行の運用目的に大量に販売されたのです。

これが「CDO(債務担保証券)」です。

そして、このCDOの格付けですが、米格付け会社の
スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が、最上級の格付けである
「AAA トリプルエー」をサブプライムローンの証券に付けていました。

AAAという格付けは、先進国の国債レベルの安全性です。

日本国債の格付けが「Aプラス」なので、日本国債よりも
サブプライムローン証券の方がはるかに安全ということです。

つまり、S&Pは、CDOの中身をちゃんと確認せず適当に
安全性が高いと格付けしていたという事になります。

しかし、市場では皆、格付け会社のランクを信じて
投資を行っています。

サブプライムローンが組み込まれたCDOはAAA格付けで
金利も高いという事で投資銀行はCDOを大量に投資していました。

そしてこのCDOという時限爆弾が爆発するまでに
何と約30年という時間かかります。

時限爆弾が爆発する少し前に
一人の優秀なファンドマネージャーが
住宅バブルがはじけることに気付きます。

バブルがはじけた際に利益を取るためには
空売り(ショート)を行う必要があるのですが
このCDOは株式のように空売りを行う事ができません。

映画のタイトルであるショートは
投資業界では「売り」を意味しています。

弊社サービス「サヤトレロングショート」の
ショートと同じ意味です。

■ロングショート分析システム
⇒ https://sayatrade.com/

ショートが出来ないCDOを空売りしたいと考えた結果として
ファンドマネージャーは「CDS」を購入するという方法をとります。

CDSとは分かりやすく言えば「保険」です。

例えば、ある上場企業のCDSを保有している場合に
その企業が倒産した場合に保険金が支払われます。

倒産しそうな会社の株式を大量に保有しているけれど
訳あって売る事が出来ない場合、CDSを買う事で、
万が一倒産した際に株式は大きな損失となりますが
CDSの保険がもらえるためヘッジされます。

その代わりに毎月保険料を支払わなければなりません。

そしてCDSの価格は、対象となる物の
信用リスクと連動して値段が動いています。

倒産・破産しかけ対象の場合、CDSの価格は上がります。

CDSの価格は、信用状況と逆相関関係なのです。

映画のタイトルではショート(空売り)となっていますが
より正確な事を言えばショートではありません。

CDOがデフォルトとすると、儲かるCDSを買っているわけです。

株式で言えば、日経ベアを買うイメージが近いです。

作品中のファンドマネージャーたちは住宅バブルが
崩壊する事に賭けて投資銀行とCDSの契約を結びます。

ゴールドマンサックスのような金融機関も
サブプライムローン市場が崩壊すると予想していません。

CDSの保険料を受け取れることから
ヘッジファンドに大量のCDSの契約を行います。

その後、CDSを買ったヘッジファンド代表は
毎月支払う保険料の高さと中々バブルが崩壊しない
サブプライムローン市場に投資家の顧客から大きく非難されます。

しかし最後には、想定通りに時限爆弾が爆発して
サブプライムローン市場が崩壊

CDSを買ったヘッジファンドやトレーダー達は
大きな利益を得る事が出来ました。

ストーリーは以上です。

ここからは私の映画の感想です。

この映画の中では金融機関や金融業界のカオスな闇に対して
主人公達が憤りを感じているシーンが多くあります。

■危険なCDOを開発して無責任に販売する銀行

■危険なCDOにAAAの最高格付けを行い、そのリスクを知っていながらも
間違えを認めずに引き下げない大手格付け会社のS&P

■住宅バブルがデフォルト間近にも関わらず報道しない新聞各社メディア

■デフォルト間近にも関わらず値上がりしないCDSの価格推移の異常性

などなど

私は個人投資家としてショート(空売り)賛成の人間です。

金融市場は効率的であるべきと考えております。

ダメな企業の株価は、売られて値下がりするべきで
評価される会社の株は上がるべきだと考えています。

主人公のファンドマネージャーがCDSを購入した後に
サブプライムローン市場がなかなか崩壊せずに保険料負担がかさみ
投資家から苦情殺到で疲弊している時にこんなシーンがあります。

  • ファンドマネージャー
    「今の住宅バブルはおかしい。私の計算が正しい。
    格付け会社の格付けもCDSの価格も間違っている。市場が効率的じゃない」
  • ファンドの社員
    「あなたの計算が間違っている可能性もあるのでは・・・?」
  • ファンドマネージャー
    「・・・そうかもしれないな。」

※1度しか観てないので、台詞は正確ではありません。

頑固な個人投資家なら「自分が正しいと考える」あるあるネタだと思います。

私も自分の投資が正しいけれど周りが間違っているので
市場が効率的に動かずに損したと考える事がたまにあります。

しかし最終的にはその状況も含めて投資を行う以上
自分が間違っている事を認めないといけないのです。

一定の損切りラインは必要ですが、主人公のファンドマネージャーのように
自分の投資や分析対して自信を持つことはとても大事だと感じました。

ヘッジファンドは悪いイメージが強いと思いますが
個人投資家はヘッジファンドの投資戦略をもっと
参考にするべきポイントが非常に多いと思います。

【参考記事】

興味がある方は、是非、
映画「マネー・ショート 華麗なる大逆転」を観てみてください。

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 編集後記 
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ガッツリ映画の宣伝を行いましたが
そういう私も途中で少し寝てしまいました。

セリフなども劇場で一回見ただけなので正確ではありません。

映画観た方で何か間違いあればご指摘ください。

そもそもCDOという時限爆弾が30年近く
販売され続けて分かりにくくなっている原因は金融機関です。

投資家に販売して自分達が儲けるために
わざと分かりにくくして作っているのです。

この仕組みは今でも特に変わっていませんので
よく分からない金融商品に手を出すのは辞めましょう。


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