株式会社サヤトレの増田です。
本日は「上場企業の赤字決算」をテーマにお届けします。
昨日、クラウド型会計ソフトのフリー (4478)が東証マザーズに上場しました。
IPOの公開価格は、2000円で初値は25%高の2500円で寄り付き本日は、2618円で取引を終了しています。
私の会社で使っている会計ソフトもフリーです。
インストール型ではなくクラウド型なのでパソコンを選ばずに仕分けが同期されます。
顧問税理士に株式会社サヤトレのフリーへのアクセス権限を与える事で税理士の先生が登録した内容を私は、自社オフィスから確認する事が出来ます。
便利ですよね。
私は、このクラウド会計ソフトのビジネスモデルに関して、長く注目していました。
起業家目線で私が最も憧れているビジネスモデルです。
フリーのようなクラウド会計の強みは、お金を持っている企業や個人を把握できます。
複数の銀行口座にお金を分散していた場合、銀行員は、自社の預金口座の残高しか分かりません。
しかしフリーを使っている場合、フリーは、三菱、三井、みずほ、楽天、など全ての銀行口座の預金額や売上額を知れるのです。
1つの銀行よりも凄いビックデータなのです。
【参考記事】
そんな売上が伸びているフリーですが、上場するため直近の5年間決算が公開されました。
なんと過去5年間ずっと大赤字!
一度も黒字になっていません。
上記の決算に関して、あなたはどうお考えでしょうか?
私個人としては、さすがお金を扱っている財務戦略に強い会社だなーと感じました。
むしろ黒字にしていた方がイケてないと感じるくらいです。
世間一般では、赤字はダメ、黒字は、良し。
そう思っている方もいる事でしょう。
しかしこれは、既に上場している大企業の話です。
フリーのようなベンチャー企業は、利益は、大赤字であったとしても売上高と会員数が毎年伸びていれば、ビジネスモデルとして全く問題ないのです。
企業が毎年あえて赤字にする財務戦略の一番大きなメリットは、税金です。
会社の決算を黒字にした場合、その年に法人税が発生してしまいます。
まだまだ伸び白がある企業の場合、決算を黒字にして1億円の法人税を納めるのであれば、その1億円は、テレビCMの広告費に使った方がいいでしょう。
1億円で広告費用に使い、来年にフリーの会員数が増えれば、来期の売上が伸びます。
このように非上場の企業は、黒字にして納税するよりも会社を伸ばすための経費にお金を使って来年の業績を高めていく。
そして風が吹いても潰れない盤石な大企業になる事が重要なのです。
この辺りの財務戦略に関しては、会計ソフトの会社なのでフリーは、しっかりと計算しています。
過去の決算でフリーは、累積赤字が100億円ほど積み上がっています。
つまりフリーは、今後数年利益で100億円稼いでも税金を納めなくてもいいのです。
税金を納めなくても良いというハンデは、経営において有利です。
フリーの財務戦略に関しては、株式市場の価格をみても投資家は、理解しているような値動きでした。
株式上場すると投資家の数が一気に多くなり黒字にして配当を出す事を強要されがちです。
しかし私個人としては、フリーについて一番分かっている経営者の好きなように財務戦略を取って欲しいと考えています。
その年に稼いだお金は、全力で使う!
(業績を伸ばすためにも税金は、納めない!)
上記のような考えで経営している経営者は、世の中に沢山います。
上記の財務戦略を日本の投資家は、果たして受け入れる事が出来るでしょうか?
人それぞれ考えがあると思いますがあえて会社の決算を赤字にする財務戦略で会社を大きくする考え方もある事を知っておくといいでしょう。
これから数年のフリーの決算に注目しつつ私は、今後もフリーを愛用させていただきます。
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