株式会社サヤトレの増田です。
本日は「投資のシステム障害リスク」をテーマにお届けします。
2020年10月に東証のシステムが障害を起こし1日中株式の売買が出来ない日がありました。
このシステム障害は、昨日東証の社長が責任を取って辞任して決着しました。
市場関係者に大きな迷惑をかけたので誰かが責任取らないといけません。
トップの責任は、大きいですね。
そして昨日は、SBI証券もシステム障害を起こし、ログイン出来ずに売買が出来ない状況でした。
元証券会社員で現IT企業&投資家の目線から投資のシステム障害に関する私の考えを書きます。
個人投資家の皆様は、リスク管理の考え方の一つとしてご参考になれば、幸いです。
まず結論ですが、東証や証券会社のシステム障害は、今後も繰り返し発生します。
あなたの売買注文や保有銘柄がある日急に通らない。
その結果、場合によっては、大きく損をする可能性があるという事を前提に考えましょう。
システム障害を100%防ぐ事は、非常に困難で現在の仕組みでは、不可能に近いからです。
ITの目線から株式の売買について考えてみます。
皆様がパソコンから送信した売買注文は、証券会社に送られます。
そして証券会社から東京証券取引に送られてその注文の成立が証券会社に返ってくる仕組みです。
この仕組みの時点で「証券会社」と「東証」の2社のシステムが絡んでいます。
どちらかのシステムが落ちた時点でアウトです。
注文する事が出来ません。
またこれらのシステムを作り維持するために他社のシステム開発会社が絡んでいます。
東証のシステムの場合ですと富士通が作っています。
富士通が作ったシステムを東証は、運営しているイメージです。
今回の東証のシステム障害の原因は、富士通側にも責任があるみたいです。
その他にも株価を保存するサーバーの保守を他の企業が管理していた場合には、その会社が不具合を起こして障害が発生する可能性があります。
例えばですが、世界で最も使われているサーバーは、Amazonが運営するAWSというサービスです。
以前、AmazonのAWSが障害を起こした際にAWSでサーバーを借りている色んなサイトは、軒並み接続できない障害を発生させていました。
Amazonに原因があるのですが、AWSを利用していたそのサイトやWEBサービスが全て使えなくなったのです。
実際に弊社も過去にサヤトレの1度契約しているサーバー会社のシステム障害でサヤトレに接続できなくなった事があります。
お客様から問い合わせが殺到です。
メッチャクチャ焦ります。
「サーバー会社の不具合で・・・」
そんな言い訳してもユーザーからすると関係ない話です。
そのようなリスクを見越してサーバーを切り替える機能をつけるなど保守メンテするのが運営会社の責任であると考えています。
そしてそうならないように実際にSBI証券は、毎週週末になると定期メンテをずっと行い続けています。
週末は、SBI証券にアクセスできないのです。
今の保有株の損益状況を確認できません。
不便ですが、それでも障害を起こさないように定期的にメンテを毎週行っていたのです。
しかし毎週メンテナンスをしていても昨日、SBIで障害が発生しておりました。
つまり頑張っても難しいのが現実なのでしょう。
皆様は、もし今保有している投資ポジションで証券会社にアクセスできなくなったと考えてください。
その時に投資生命が終わるような勝負をしていませんでしょうか?
今後もシステム障害が発生してある日いきなり売買できない日は、訪れます。
その時が来ても慌てずに相場を退場しなくても良いようにしておきましょう。
これが個人投資家としてのリスク管理の考え方です。
以上、資産運用の参考になれば幸いです。
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