ベンチャー企業は、赤字が王道

株式会社サヤトレの増田です。

本日は「企業決算」をテーマにお届けします。

■会社から給料を貰う会社員目線

■会社員に給料を支払う経営者目線

■会社に出資して経営者を選ぶ投資家目線

お金は、立場が違うと正しい背景が見えません。

中々ややこしい内容になりますが本日の内容は「投資家」で考える「ベンチャー企業の赤字決算」をテーマにお届けします。

最初に結論ですが・・・

ベンチャー企業の決算は、赤字にする事が望ましい。
(大手企業は、別です。)

私はそう考えています。

赤字は、悪いものと思っている方は、間違いです。

■黒字の企業は、いつでも自由に赤字に出来る

上記は、投資家として絶対に覚えておいた方が良い知識です。

儲かっている会社は、その気になれば、いつでも簡単に赤字決算にする事が出来るのです。

事業が好調な会社は、今期の決算をいくらに着地するか?

黒字にするか?赤字にするか?トントンに納めるか?

ちゃんと計算して決算をしています。

儲かり企業が、決算の数字をコントロールして赤字に調整出来る仕組みは、「経費」を使えるからです。

経費の中でも「広告宣伝費」や「設備投資」など今使ったお金が1年後や2年後により多くの売上を作る分野にお金を使い続けた方が会社の成長が早いです。

例えばですが、直近日本のベンチャー企業が中間決算で初めての黒字を出してきました。

初の黒字に関する決算を評価する人もいるかもしれません。

しかし新しい事に挑戦しているベンチャー企業が最終決算で黒字計上してきた場合・・・

投資家目線で私は、正直ガッカリします。

「世界戦を攻略する気ないんだな・・・」

私は、そう考えます。

中途半端な黒字を出して税金を支払うよりも

「アメリカのテレビCMなどの広告宣伝費に全額ぶち込んで欲しい!」

投資家目線で私は、そう考えます。

これが世界戦で戦うベンチャー企業の王道戦略だからです。

黒字にして儲けるのは、その分野で覇権を勝ち取った最後の最後でいいからです。

このやり方で創業から赤字でずっと成長してきたベンチャー企業の成功例がネット通販のAmazonです。

Amazonは、稼いだお金を全額、世界中に倉庫や物流などの設備投資にお金を使ってきました。

稼いだら、稼いだ分、ずっとお金を上手く使って世界に広めてきたのです。

その間、ずっと赤字決算でしたが、Amazonユーザーは、世界中で増え続けます。

そして倉庫や物流が整った事でAmazonは、注文した商品が翌日には届くという恐ろしいネット通販インフラを完成させてネット通販の世界的な通販の覇権を取る事に成功しました。

事業としては、儲かっているけれどお金を上手く使い続けて赤字決算。

会社が成長して覇権を取ったタイミングで今までお金を使っていた「広告宣伝費」と「設備投資」のお金を減らして黒字にする。

または、覇権を取った後に値上げです。

動画配信サービスのネットフリックスが月額料金の値上げを発表しています。

私も毎日観ていますが使っているユーザーは、値上げされても解約する事が出来ないのです。

覇権を取った後の最後の最後に黒字化するのがベンチャー企業が成功する王道の戦略です。

黒字にしないと儲かっていないと勘違いする投資家もまたおりますが、ベンチャー企業は、経営戦略で赤字にしているケースがあります。

企業側は、来年より沢山儲けるために稼いだお金を全額何かにぶち込んでいる可能性がある。

賢い投資家は、その企業が何にお金を使っているのか?

いつでも黒字に出来るけど、財務戦略的に赤字にしている。

この辺りをちゃんと見極めて投資していく必要があります。

成長余地の大きいベンチャー企業は、来期に儲かるように出来るだけお金を使い続けて赤字にする方が良いでしょう。

以上、ベンチャー企業の決算の考え方の参考になれば幸いです。

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