株式会社サヤトレの増田です。
昨日のメルマガでは「金利」を
テーマに書かせていただきました。
■金利=お金のレンタル料
お金を貸す立場
お金を借りる立場
お金を投資する立場
金利は状況によって意味合いの
ニュアンスに違いがあります。
【参考記事】
本日は、最近ニュースでよく耳にする
「○○国の金利上昇による~」というフレーズ
投資やマーケットニュースを見ていると
「国債の利回りが~」とよく聞きませんか?
ギリシャ国債の利回りが上がる
というのは実際どういう意味なのでしょう?
本日は、債券の金利の変動について
説明させていただきます。
「そもそも債券って何?」
という方もいると思いますので
まずは、債券の説明からさせていただきます。
債券とは、国、地方公共団体、企業、
または外国の政府や企業などが投資家から
資金を調達する目的として発行するものです。
・国が発行する債券=国債
・地方公共団体が発行する債券=地方債
・企業が発行する債券=社債
・外国の政府や企業発行する債券=外債
資金調達するために発行するという点では株式と目的は同じですが
債券は、あらかじめ利率や満期日などが決められて発行されます。
債券を購入すると定期的に利率分の利子を受け取ることができ
債券の満期日を迎えると償還金を受け取ることができます。
以上が債券の説明です。
分かりやすく(6753)シャープを実例に解説します。
利率1%でシャープという会社が
発行する社債を100万円分購入した場合
1年後に投資した100万円の金利分
1万円が手に入るのが債券投資の基本です。
よって利益は1万円です。
(そこから金利に税金が取られます。)
しかしこの1万円の金利の利益を
獲得するためにもリスクがあります。
それが発行体の信用リスクです。
社債の場合は、債券を発行している
会社が倒産した場合、元本割れするリスクがあります。
つまり満期までの間にシャープが倒産した場合
100万円で投資したお金は返ってこない可能性があります。
■シャープ社債情報
http://www.sharp.co.jp/
上記見ていただくと分かりますが
現在3つの社債が償還待ちの状態です。
償還期限は、2019年です。
それまでにシャープが倒産したら
上記社債を購入している投資家に
債券の元本割れの可能性が発生します。
倒産の状況次第ですが基本的に
元本割れするのが一般的です。
どれだけ戻ってくるかは分かりません。
そして債券は株式のように途中で売却する事が可能です。
買ってくれる相手が見つかれば満期まで
保有せずに途中で売る事が出来るのです。
しかし現状でお考えください。
利率が1%のシャープの債券を
2019年まで保有したいと思いますか?
もし2019年までにシャープが倒産したら
お金は返ってこないかもしれないのです。
常識的に考えるとリスクが高すぎですよね?
債券の売買も株式の売買と同じように
売り手と買い手の価格が合致しないと成立しません。
よって買い手が見つからないと売却出来ないために
シャープ債の保有者は、元本割れを覚悟して
自分が購入した価格よりも安い値段で売却しようと考えます。
100万円で買ったシャープ債を満期まで持ちたくないので
途中で80万円の金額でシャープ債を売却するイメージです。
この時に80万円でシャープ債を買いたい人がいた場合
売りたい人と買いたい人の価格が合致して債券を売却する事が出来ます。
結果的としては債券を売却した人は
100万円で買ったシャープ債を
80万円で売却したので20万円の損失です。
しかしシャープが倒産した際に
発生するリスクを回避出来ました。
損切りのようなイメージです。
一方、80万円でシャープ債を購入した人は
シャープ債の金利を受け取りながら
満期の2019年まで保有し続けたとしましょう。
結果的にシャープが倒産しなければ
保有期間に応じた金利を受け取れて
無事償還を迎えたので額面の100万円が戻ってきます。
シャープ債を途中で購入した人は80万円で買っているので
満期に100万円戻ってきた場合20万円の利益になっています。
債券に投資して獲得出来た利回りは25%です。
おまけに保有期間分のシャープ債の金利も受け取れます。
結果として、債券の利回りが高くなっているのです。
もしこのシャープ債を80万円ではなく
70万円や60万円で購入しても満期までシャープが
倒産していなければ必ず100万円で戻り
ますます利回りは高くなります。
つまりシャープ債を売る人が多ければ多いほど
債券の値段は下落して利回りが上がる仕組みです。
言い換えると利回りの高い債券は、
売る人(リスクが高いと考えている)が多く
買う人がいない状態とイコールなのです。
よって債券の利回りの推移を確認する事は
市場の投資家達の心理を読む事が出来ます。
利回りが高くなっている債券の発行体は
リスクが高いと予想されているわけです。
債券の価格は満期日が近づくにつれて
本来の償還の価格に近づいていきます。
シャープ債の満期が明日なのに(ほぼ倒産はないと予想する)
80万円で売りに出されていたらさすがに誰かが買うでしょう。
サヤはすぐに解消するのです。
現在、ニュースではギリシャ国債の利回りが
上がった・下がったと伝えられています。
ギリシャの債券の利回りが上がれば
ギリシャは市場で危険と思われている。
ギリシャの債券の利回りが下がれば
ギリシャは市場で大丈夫と思われている。
ザックリですが上記のような市場の心理です。
債券の利回り変動は発行体のリスクを
図る上で重要な参考になります。
今後、経済ニュースを見る際には
債券の利回りについて参考にしてみると良いかもしれません。
【参考記事】
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